うたうようにさよならを


ああ
きっと最後まで、きみには
何にも話せないんだろうな
それをまた
きみは怒るんだろうな
そして傷ついてかなしむのかな


決めたことなにひとつ
言えないままでごめんね
きみとの季節はいつも寒かったから
マフラー巻くたびに思い出すだろう
そして赤い目のあたしを


最初から最後まで笑顔でいるね
なんにもなかったわけじゃないけど
劇的なことがあったわけでもない
ぬるくて、おだやかで、ずっとつづいていく
浅瀬みたいなものだっておもってた
それはとても確かなものとして
「永遠は在るかないかじゃなくて
信じるか信じないかだよ」そう言うなら


あたしは永遠を、無いものとして 信じたかっただけ


もう二度と会えないのかな
そのしあわせはつづいていくのかな
そしてこの不幸は


最後にあたまを撫でてくれたら
すべて
すべてが
終わるような気がしている
そのあとできみが知ってかなしくても


あたしはなにもこわくなかったこと
それもきちんと知ってね
そのかなしみも 永遠ではないということ も。