美しさも醜さも きみに伝えるため


いま撮りたいのは、
美しさも醜さも、面白さもつまらなさも、幸も不幸も、あたしの、
あたしが、生きる世界。
誰にだっておなじようには見えていないかもしれないから
すこしでも近づけたい。
だから見せるときには加工の力も借りて。世界をあたしの色に。
表したい、世界は今のあたしにはこんなふうに見えているとか
あたしはこんな世界に、生きていると。

あえて色を潰したり、ほんとうは綺麗であろう世界をぼやけさせたり、汚したりする、ときがあるのは、そのときのあたしにそう見えているから。
美しい景色なんかとくに、加工が無い方が好きと言うひとがほとんどだろう、けれど、あたしの心の眼で見た世界とおんなじのを見せたい。

そう、見せたいひとや、見てもらいたいひとはたくさんいる。
そしてそれから「自分もこう見えるよ」ってひとも探したい。
だから撮る。
いないだろうことはわかっているけれど、もしいたら、死ぬまでにひとりでもいいな。出逢えたらいい。そんなひとに。同じ眼を持つひとに。