魔法みたいに
「きみは、ひと、ひとり、終わらせることができるって
もっと知った方がいい。
その力がいつも、
きみのおもうような働きをしていると、過信しない方がいい。
おもったよりもそのひかりは黒いし
ぶつければひとたまりもないひとがいることを 知って
その言葉がどんなに正しくとも、
正しければひとは救われるわけではない ことを 知って
どんなにつよいひとでも、きみを愛したら、おかしくなる
そういう力がきみにはある、ことを 知って
そして間違えないで、よく考えて、もう誰もころさないで
わかったら、さっさとぼくのまえから姿を消して」
ちいさな子供がそう呟きながらあたしを睨み続けていた。
そんな夢を見た。
それはこっちの台詞なんだよって言いたかったけど声が出なかった。
どこかで鈴の音がしていた。
川が流れる音と。さよならのうたと。