それよりもあいして


「限界」がひとつなら良かったのかな。
いくつもの限界を引き摺ったまま、気付かないふりで
ただ笑顔のため だけに 息をした。


ここまでだ、と溜め息をつくことが ずっと
あたしにはできなかった。
手放したくないものが、たくさんあった。


救われたいのに、救ってしまうと手放してしまう。
失くしたくないのに、失くさないでいると救われない。


あたしが死んだら狂ってくれる?
それとも、自分の所為じゃないと信じて逃げる?
どっちにしても生きていればいい
かがやかしくてうつくしい、あたしの居ないこの世界で