もう あたしには、なんにも ないよ。


きみを救う術もなければ
きみを裏切る術もない。


きみにかかわる、すべてがもう、なんにもない。よ。



かみさまはいないと あのひとは言った
ああそうだなと おもった。


何処が痛くても、もう
訴える声が、出ない


愛されたかった
喜ばれたかった


きみに
そうして


求められていることを、必死でこなしても
きみはきみで しあわせになるだけだろう?
あたしをまた、置き去りにして


ああもうなんにもない
きみにあげられるものも
きみと生きていく足も


さよならだ、さよなら。
あたしが潰れる音を聞きたくないなら
はやく行けばいい


きみのたからものは
永遠にその手に、
おさまることはなくなるけれど。