あのとき書いた遺書が出てきた。


あたしはあれから今まで、
生きてて良かったとおもうことはあっても、
死ななくて良かったとおもったことはない。


なかった。
それを、読むまでは。


はじめて少しおもった。
こんなに汚い感情を、こんなに醜いかたちにして
残して死んでしまわなくて良かったと。


いつかまた死ぬ気になったとき、
自分の死期を感じたとき、
それでも遺書は書かないでおこうと心に決めた。


そしてあたしは未だに
生きてて良かったっておもえても
生きていたいだなんて、
これっぽっちもおもえないでいるよ


つながれない
つながれたい
糸が欲しい


つながれない
つながりたい


今度は


切れない、糸 が