あたしはどうしたらいいのかわからない。
どうして、こんなふうに死んでゆくのかがわからない。
羽根は何時の間に落ちてしまったのか
陽は何時の間に翳ってしまったのか
やさしい声は、何処に行ってしまったのか


どうして ひとり
取り残されて、しまったのか


あたしが何かを求めてしまえば
あのひとは、あたしを置き去りにすると知ったから
ああ、このせかいは
このせかいで、生きてゆくということは


愛したひとから去っていく ことを知っている
そういう宿命なのだということも、知っている

愛さなければ
愛さえ、求めなければ
此処にいて笑ってくれるのなら
あたしは自分の愛をすべて捨てて 失くして
笑っていようとおもったの


できるとおもったの
失くさないでいるよりは、とても簡単だって
おもったの


に。


わからない闇に落ちただけで
ひとつも笑えないんだ
あのひとに、大切にされないあたしなど
ちっとも大切じゃないよ
どこにも行かないでって言えないあたしなど
留まれる場所にも なりえないのに


はやく、ほんとうにはやく
解放されたいのです、このせかいから
もう、そろそろ、心がもたない。


壊れて駄目になりたい。
わすれてください。ぜんぶ。なかったことに。
愛も哀しみも与えられないあたしのことなど
記憶から消してしまって、


にんげん、という素敵な生き物に
上手に混ざることができなかったあたしのことなど


わすれてください