逃走


この間最終回だった「曲がり角の彼女」でも稲森いずみが言っていたけれど
あたしも相当、「いつも何かから逃げている人生」だなあと思った。
新しいことをはじめるときは、いつも。
新しい場所に行くときも、いつも。
あれから逃げるためにあたしはあそこに行ったのに
結局そこからまた逃げ出してしまった。


変わってしまうことが怖くて、変わらないことを求めるから
変わってしまった場所や、ひとのそばで
自分だけ変わらずにはいられない。耐えられない。
無理に変わったふりして微笑むんだ。あたしは大丈夫だと。


酷いね。
今更あたしに何を求めるんだろう?
あたしが望めるものは何もかも捨てて失くしてしまったくせに
そのうえあたしに何を望むんだろう?


これは夢の話。
夢で起きた現実の話。
みんな眠っているだけだよ。だけど起きなくてもいいよ。
目が醒めたら、知らないひとがそばにいるよ。