雨の輪がみずたまりから消える頃に
あたしを動かしてくれた言葉たち、ひとつひとつを思い返していた。


甘くないことを知っている。
あたしが腐っておけばすべてはまるくおさまることも
生きていて、ゆるして甘やかして受け止めておけば
心配もかけないし、納得して、満足してもらえることも
あたしの幸せがここになくとも、苦しみさえ見せなければ
誰もが安心してそれぞれ自分の世界を大切にできることも
欲しいものさえ諦めておけば、みんな幸せに生きられることも
あたしはちゃんと知っていて


まあ、欲しいものだけはとっくの昔に諦めたけれど
生きるのって、それだけじゃないから。


たったひとつの小さな決意でさえ、あたしの真実を捻じ曲げるもので
その苦痛を、逃げ だと罵る人間を 愛せるとおもえる?


こうしてあたしは、あたしの存在を大切としてくれるひとのために嘘を吐いて生きるし
きっとこの嘘を見抜いて認めてくれるひとがひとりでもあらわれたなら、
その嘘は嘘じゃなくて、やっと真実になれる。


それだけよ
今の夢はそれだけだ。