これはさくひんです。
これはつくりものです。


あたしがたんせいをこめてねりあげた、ごくじょうのものがたりです。
ことばのつかいまわしなど、どうでもいいのです。


あのひとたちみたいに、わからないおとなになんか、なりたくなかった。
だけどこんなにわかりすぎるおとなになるつもりじゃ、なかった。
わかりたいことはなにひとつわからないのに
わかりたくないことばかりわかる。


ぜんぶのことばが、うたなくなってしまったこのむねをいだいたままで
それでもまもることに、すこしつかれをかんじてきています


たのしくてわらっているのではないよ
すべてをあざわらっているのよ
どうかあなたたちが、ふこうをしらないままでいきていられますように
いのりみたいな、のろいみたいな


あなたは、すくわれるためのはなしをつくれる?


おねがい。
もうひつようじゃないの。
ひつようなものがなくなってしまったの。


かんがえろ、というだけならかんたんだわ
かんがえればかんがえるほど、ずるずるなにもできないでいることも
それでもやっとえらんで、すすもうとした、みちも
くるしみながら、あきらめながら、しんだみたいにいきていくことも
なにひとつ、すべてがゆるされないあたしのいきざまを
ゆるされないとわかっていながら、いなくなってしまえないあたしも
これいじょう、みせたくないんだ