偽陽
春のきもちになって、からだのなかの たくさんの場所が揺れた
幸せがいつも、見つからない季節だった
迎えては暖かい風に、何の希望も見出せず
何度も失望しては、太陽のひかりを恨んだ
怖いんだとても、生きていること自体が
何の説明もつかず、証拠もない感情を
無責任にぶつけるのは、この間が最後だろうか
それとも性懲りもなく、あたしは
きみを傷つけて生きるのだろうか、
愚かだね
何故、きみが泣いてしまったか
知っている、のに。
夜は明けるし、春は訪れる。
だけどあたしはずっと夜のままでいいし、ずっと寒いままでいい。
きみを、やわらかく照らせる灯りになって、ゆっくりと暖めていたい。
嗚呼、愚かだね。