「あなたはいい 愛されてるから」


「からだがあなたを知らなければ
ひきずる思い出もなかった。」


「愛しいひとよ
わたしにひかりを
のぞまないで」


「わたしが消えれば楽になるんでしょう?」


手放されたあとで
樹海の糸をうたっても、もう。


苦しむことすらゆるされないから
わらうしうたうし、


呼吸さえしていればいいのだろう


このまま沈んでゆけたらいいのに
選んだ錘はいつも軽すぎて浮いてしまう


うつくしいものに変えたいだけ。
毎晩落とす涙を。
愛される声に変えたいだけ。
抑えて漏れる嗚咽を。
叫ぶようにしかうたえない、この声を。