この世界の
いろんなことを知って、気付いてしまったら
ほとんどのいろんなことを理解してしまったら
まるで生きていけなくなった。
生きる必要がないことにも気付いてしまった。
それを知りたいから生きるのであれば。
あたしはもう、知ってしまった。


それで夏を迎えることなどないと思ったのに
まるで、あたし以外にはメリットなんて何もない、純粋な優しさたち、
それがあたしに向けられることが理解できなくて、理解したくて、
こんなに生き延びてしまった。



そして、それさえもなんとなくわかってきてしまったあたしは
生きられないとはおもうくせに いなくなることもできずに
不幸で幸せな苦しみを抱えて、それでも
競うみたいにあのひとたちよりも、優しくなりたいとおもう。