そうだ。とても辛くて苦しい季節、だった。
それを、この目に
はっきりと、この目に
うつして思い出せてしまうもの まで この世界には存在していて
普段はどんなにその苦しみを忘れて生きることはできても
そうして、ふと 視界から脳内に伝わり、
色や声まで思い返してしまっても平気な程、あたしは
立ち直れているわけではない。こと、その、事実。


そして、高鳴るのはまたべつの。
またなの?似過ぎているの?どっちが?どっちも?関わらないよ
お願いもうこれ以上、奪わないで
あたしだけは、繰り返さない。
世界を重ねるのはやめようよ、隣にもいないのに共有などしたくない


理屈で語れない想いがあるのなら、
理屈で語れない苦しみだってある
誰も理解できなくとも、その痛みは確かに其処に存在しているのだ
それを訴えたとしてもきっと
「誰かに苦しみを与えている自分」を信じられないだろうから
さらに暴言でごまかされるね
耐えるか消すか、わかりきった結末が見え隠れ、丸見え、で、


すこし錯覚をしていたのかも知れない、
けれどどっちを?
結局都合のいいものしか認めないあたしは
それでどっちを?信じたらいい?
まるで勘違いのような感情を抱いたまま、なのに


あたしはそれ以上の優しさで包み込むことができるだろうけれど。


そういえば何を無かったことにしたいのか
やっとわかりかけている気がした。
すべての結果が今のあたしになっているのなら、それなら、


もう一度あのまま、似た現象と雨と歌、
そしておなじ痛みと季節がやってきたなら、
壊れて狂ってしまう前に、今度こそ消えてしまおうとおもった。
自分の命を守る、ためには。