さようならと呟いて安心するのはあたしの悪い癖だ
結局あたしのほうが さよならよりも酷い言葉を持っている 
誰かを言葉で握り潰すことなど簡単だ
その必要がないからしないけれども


わかりあえるとおもったのに。


交差してゆくしあわせは
すれ違いざまにすこし振り返ることをゆるされるだけだった
これからどこまでも遠くなっていくあのひとを
ゆるす言葉も見つからないのに


もう二度と
眠れない夜も 涙の理由も ちいさな出来事も この胸の内も。