オアシス


貴方の好きなあたしではなくなってから、ずいぶんが経つ。
貴方がその錯覚から目覚め、あたしの手を離したあのときから
あたしは変わりたくないところまで徹底的に、変わってしまった。


もう、愛される術など
あたしの何処にも残っていないのに
貴方の傍に居れば居る程、もがいてしまって
自分が自分じゃなくなってしまう みたいな かんかく。


自分のなかの 素直さと本心と真実を探すのに必死で
目の前で笑っている貴方に
笑い返すこともできない。


どうしてわからないの?
わからなくてもいいよ。


どうして此処にいるの?
此処にいても、いいよ。


問いかけてゆるして、
受け止めて傷つく。
もういやだってなんかいめ?
砂漠の遥か彼方、蜃気楼でさえも
幸福に見えない。